CRM(顧客関係管理)とは?導入メリット・デメリット、CRMとSFA・MAの違いについて解説
顧客関係管理(Customer Relationship Management, CRM)は、現代のビジネス環境において極めて重要な役割を果たしている戦略的なアプローチです。企業が顧客との関係を構築し、維持し、強化するためのプロセスとテクノロジーを包括するCRMは、競争が激化する市場で競争力を維持するためのツールとして欠かせません。本記事では、CRMの基本的な概念、重要性、メリットについて探究してみましょう。
1.CRM(顧客関係管理)とは?
まずは、CRMの定義から知りましょう。
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理の略称です。CRMは、企業や組織が顧客との関係を効果的に構築し、維持し、最適化するための戦略、プロセス、ツール、テクノロジーを指します。顧客関係管理は、顧客との関係を深め、顧客のニーズや要求に対応することを重視するアプローチです。
例えば、WebのHPで機能性食品を購入した1ヶ月後、完売した店から「先日の機能性食品はいかがですか?」と書かれたハガキが届く。これもCRMのひとつです。
要するに、一人ひとり、どんなアプローチをされたら嬉しく感じてもらえるのか、動かすことができるのかを丁寧に考え、それを一人ひとりに実行することです。
商売をするうえであたりまえに大切なことながら、規模が大きくなればできなくなると思い込んでいたコミュニケーションを実行していくことがCRM活動となります。
また、CRM活動が重要視されるようになった背景には、顧客の価値観が多様化したことがあげられる。
多様化した顧客ニーズを把握するために、顧客に関する情報を履歴データとして蓄積し、分析・活用することで最適なコミュニケーションを実現し、利益を最大化するCRMが必要とされているのであります。
2. CRMとSFA・MAの違いとは?
次に、CRM以外にもよく話題になっているSFAとMA、そして、それらとCRMの関係を見てみましょう。
SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業活動の自動化を指します。SFAは営業プロセスや顧客関係の管理を効率的に行うためのツールやソフトウェアを指します。主な機能には、商談の追跡、見込み顧客の管理、売上の予測、タスクのスケジュール管理などが含まれます。SFAの目的は営業チームの効率向上や売上の最大化を支援することです。
SFA導入について詳しく知りたい方はこちらのリンクよりご覧いただけます。
MAは「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動の自動化を指します。MAは、マーケティングチームが顧客との関係を強化し、マーケティングキャンペーンを効果的に実行するためのツールやソフトウェアを指します。主な機能には、電子メールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、リードのスコアリング、顧客セグメンテーションなどが含まれます。MAの目的は、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを高め、効果的なマーケティング活動をサポートすることです。
SFAとMAそれぞれ営業活動の自動化とマーケティング活動の自動化をするもので、どちらもビジネスプロセスの効率向上と成果の最大化を支援するツールです。
一方で、CRMは広範な顧客管理活動を指し、SFA、MA、カスタマサポート、カスタマデータ分析、顧客対応の改善などを含みます。顧客のライフサイクルを通じて関わりを持ち、顧客との関係構築を支援します。CRMはSFA、MA以外にも多くの機能が含まれています。
CRM(Customer Relationship Management)、SFA(Sales Force Automation)、MA(Marketing Automation)は、すべて顧客管理や営業活動、マーケティング活動に関連する用語ですが、CRMSFAとMAを包括している広範囲の営業活動と言えるでしょう。
SFA(Sales Force Automation)は、CRM(Customer Relationship Management)の一部であり、特定の機能を指す言葉です。CRMは顧客関係管理全体を指す概念であり、その中にSFAも含まれます。
3. CRM導入メリット
3.1 顧客満足度の向上につながる
CRMシステムは顧客の過去の取引履歴や要望を把握しやすくし、個別のニーズに対応することが容易になります。これにより、カスタマーサポートの品質が向上し、顧客満足度の向上につながるのがメリットです。
個別の顧客に適切なタイミングで適切な情報を提供することにより、顧客との信頼関係が築かれ、ロイヤルティが向上します。長期的な顧客関係を築くための強力なツールとなります。
3.2 業務効率化が期待できる
CRMを通じて営業部門や関連部門の連携を強化できると、業務効率化が期待できます。社内の情報を一元化すれば、部門を越えて誰もが必要な情報を即座に入手しやすくなります。
たとえば、営業部門とカスタマーサポート部門が迅速に情報を共有できれば、一人ひとりの顧客へ最適な対応を実現でき、より良質なサービスの提供が可能です。属人化を解消し、営業パーソンのナレッジを社内で有効活用できるようになるのは、CRMの大きなメリットといえるでしょう。
3.3 営業競争力の向上
CRMシステムを活用することで、迅速な対応やパーソナライズされたサービスを提供できるため、他社との競争において優位に立つことができます。
なかには失注や解約といった情報も含まれ、同様の事例を分析すれば原因の究明につながることも。導入によって自社の課題や弱みを把握し、経営戦略に役立てられるのがメリットです。営業部門だけでなく、企業の経営に携わるマネジメント層にとっても、CRMのデータは重要な情報源となります。
以上のように、CRMシステムの導入には業務プロセスの最適化や顧客満足度の向上、競争力の強化など多くのメリットがあります。ただし、導入には適切な戦略とトレーニングが必要です。
4. CRM導入デメリット
4.1 初期費用・維持費用がかかる
CRMを導入しようとする上で一番の障害になるのは、初期費用や維持費用がかかることでしょう。システムを新規に導入するためには費用がかかります。自社のサーバーにソフトウェアをインストールするタイプの「オンプレミス型」は、導入時に機器の設置やITシステムの構築が必要なので、初期費用が高額になる傾向にあります。
一方で、インターネット上でソフトウェアを利用するタイプの「クラウド型」のCRMシステムをおすすめします。クラウド型はインターネットを通じてオンライン上に構築されたシステムを利用するため、サーバーを自社で用意する必要がありません。そのため、カスタマイズ性は落ちますが導入コストを抑えられます。それに対し、オンプレミス型と呼ばれるCRMシステムの場合、自社でシステムの構築をして自社内にサーバーを用意する必要があります。そのために導入コストが高くなるのが欠点です。
4.2 学習とトレーニングの必要性
CRMツールを社内で定着させるには、導入準備の段階で業務フローの見直しを行い、社員へ向けた説明会や研修を実施するコストがかかります。一時的とはいえ、担当部署に業務負担が生じるのがデメリットといえるでしょう。
実際に使ってみないと自社で運用しやすいかわからないことも多いため、導入時に次のような対策を取っておくのがおすすめです。
- 導入時のサポートをお願いする
- マニュアルを整備しておく
- 研修会を開く
誰が、いつ、どのように使うか明確にして、費用とともに慣れるまでの時間のコストも考慮しておきましょう。
4.3 社内のセキュリティ対策が必須
CRMでは顧客の個人情報を取り扱うため, 顧客データの保護が重要であり、セキュリティ対策が不十分な場合、データ漏洩やハッキングのリスクが増大します。
特に、営業部門が社外へ外出する際や、オフィス以外の場所で勤務するリモートワーク(在宅勤務)体制では注意が必要となります。IDやパスワードによる認証を徹底したり、最新のウイルス対策ソフトを導入したり、端末の紛失・盗難など緊急時の対応を規定したり、セキュリティ対策を講じましょう。
5. CRMツール基本機能
顧客管理に役立つCRMツールには、どのような機能が備わっているのでしょうか。以下に「顧客情報管理」、「セールス・リード管理」、「顧客コミュニケーション管理」、「分析とレポート」の4つに分けられます。
・ 顧客情報管理: CRMツールは、顧客の基本情報(名前、連絡先、住所など)を中心に管理します。これにより、顧客のプロファイルと履歴を簡単にアクセスし、カスタマイズされたサービスや対応を提供することができます。
・セールス・リード管理: CRMは、新規のビジネスチャンスやセールスリード(潜在顧客)の情報を追跡・管理するためのツールとしても機能します。これにより、セールスプロセスを効果的に管理し、リードを取引に変換する手助けを行います。
・顧客コミュニケーション管理: CRMは、顧客とのコミュニケーションを追跡・管理する手段としても利用されます。電子メール、電話、チャット、ソーシャルメディアなどのコミュニケーション履歴を保存し、顧客との関係を強化するために活用されます。
・分析とレポート: CRMツールは、データを分析して洞察を得るための機能も提供します。売上予測、顧客傾向、セールスパフォーマンスなどのデータを可視化し、意思決定を支援するためのレポートやダッシュボードを生成することができます。
これらの基本機能は、企業が顧客との関係を強化し、ビジネスプロセスを効率化するために広く活用されています。ただし、CRMツールは企業によってさまざまな機能がカスタマイズされることもあるため、具体的なツールによって提供される機能は異なる場合があります。
NALは多くの成功事例と経験豊富な専門担当者を持ち、CRM領域のスクラッチ開発に置いて知識と実践を積んでおります。お客様のビジネスニーズに合わせたカスタマイズされたCRMシステムの開発においても、最適なソリューションを提供いたします。
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