1. はじめに

日本企業を含む、多数の外国企業がシステム開発委託先の候補地として最も注目しているのがベトナムです。以前、コストメリットを優先的に考えていた企業はオフショア開発の失敗経験を経て、品質とコストを同様に重視してきました。中国、カンボジア、フィリピンなど数多くの委託先の中、ベトナムはもはやコストと品質の両立ができる委託先として認識されています。ベトナムは2009年から日本にオフショア開発サービスを提供して以来、今は日本の第二のオフショア開発パートナーとして活躍しております。その背景及び理由を本記事を通しお伝えいたします。

 

2. ベトナムはなぜIT人材大国へと成長できたのか?

まず、ベトナムの国策はIT人材が輩出している原因の一つと言われています。

国がIT人材の育成に力を入れています。ベトナムには現在35万人のエンジニアやプログラマーといったIT人材がいるとされています。政府の方針では今後100万人以上に増やすことを検討しているため、今後も優れたIT人材が続々と生まれていくと予測されています。

更に、Skillvalue 調査報告によると、ベトナムのIT人材・リソースの年齢層と評価はどのような状況になっているかも明記されています。

第一、現在ベトナムの大学と専門学校が毎年国内大学51,000人以上と国内専門学校68,000人以上卒業生を育成しています。合計で毎年、約120,000人のIT人材が生まれて行きます。

第二、ベトナムのIT人材のうち、20歳から29歳までの割合は全体の54.76%であり、35歳以下の人々が全体の79%を占めています。

第三、ベトナムIT人材のクオリティは世界で29位(Top30の中、唯一の東南アジア国)となっています。

そして、ベトナム政府は外資系IT企業の誘致も積極的に行っています。外資系IT企業の誘致は、下請けなどによる国内IT産業育成のためだけでなく、国内にたくさんいるIT技術者の雇用を促進することにもなります。

そのためベトナム政府は、ハードウェアおよびソフトウェア分野でベトナムに進出する外資系IT企業に対し、4年間の免税期間と9年間の減税期間を提供しています。

以上、ベトナムのIT人材の育成国策や企業誘致の活動などを通し、現在ベトナムはIT人材大国へと成長したのです。

3. ベトナム人技術者・企業が得意なIT分野

そこでは、ベトナム出身の技術者はどのような技術分野に長けており、ベトナム国内にオフショア開発を委託する際にはどの分野が適しているのでしょうか。

ベトナムITマーケットレポート(Vietnam IT Market Report)を発表しているTOPDevの資料によれば、ベトナム人技術者が得意な言語は、以下のようになっています。

  • Javascript
  • Java
  • PHP
  • Python
  • C#/.Net
  • Objective-C
  • C++
  • Ruby
  • Flutter

これらの言語は世界中のソフトウェア開発のニーズに合致しており、フルスタックで対応可能です。現在、ベトナムオフショショア開発は各種業務システム開発、AI、データ分析、ブロックチェーン、ウェブアプリ、スマホアプリ、ゲーム、マイグレーションなど様々な分野で活躍されております。

[出典:「VIETNAM IT NATION VIETNAM IT MARKET REPORT 2021」 TOPDev

日本国内で上記言語の開発をフルで実現するにはコスト面・リソース調達面の課題があり、なかなか日本国内でコストパフォーマンスの高い開発の実現が難しいです。人件費の安い東南アジアが注目されいる中、多くの日本企業がベトナムを選んだのはベトナムの下記の特徴と関係があると考えられています。

  • 政治的安定性
  • 民間でも親日度が高い
  • わずか2時間の時差
  • 行き来便利な直行便有り
  • 人件費の安さ
  • スキルの高い勤勉な開発者が多い
  • 時代に沿ったアジャイル・スクラム開発の経験が多い

4. 今後も成長が見込めるベトナムIT市場

国を挙げてのさまざまな施策が実を結び、アジア屈指のIT人材大国となったベトナム。今後はどのように発展していくのでしょうか。ベトナム政府は、今後も国のデジタル化、DX化を推進していくために、さまざまな施策を打ち出していくことを表明しています。

例えば、2020年、ベトナム政府は「2025年までの国家デジタルトランスフォーメーション(DX)プログラムおよび2030年までの方針」という計画を承認し、首相が政府議定「749/QD-TTg」に署名を行いました。

*政府議定「749/QD-TTgとは、ベトナムが2030年までに高度なデジタル国家になるための数値目標を定めた公式文書です。

この文書のなかには、2030年までに「光ファイバーのカバー率100%」や「ICT開発指数(IDI)順位 世界30位以内(日本は2017年に10位、ベトナムは108位)」、「世界競争力指数(GCI)順位 世界30位以内(日本は2018年に5位、ベトナムは88位)」、「ブロードバンドカバー状況 全国で5G利用可」などの具体的な目標が定義されています。

グラフ, 円グラフ

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参考:オフショア開発の白書2022参考

従来からベトナム政府は、外資系IT企業やオフショア開発の誘致、IT人材の育成に力を入れてきましたが、今後はこのプログラムと合わせて、国のDX化や行政のデジタル化、IT化を強く推進していく計画なのです。

5.  レベニューシェア・モデルのラボ刑開発「アクティブラボ」

最後に、ベトナムのオフショア開発で活用されているレベニューシェアモデルのラボ型開発「アクティブラボ」を紹介いたします。

昨今、ウォーターフールよりもアジャイル開発が話題になってきました。しかし、アジャイル開発は基本的にチームを柔軟に編成して開発を進めるため、開発のノウハウが蓄積されにくく、チームメンバーの交代による非効率さもないの特徴を持っています。チームメンバーの固定は日本国内で行うとコスト高となってしまう可能性が高く、開発効率は高いものの現実的には難しいとされています。一方、チームメンバーを全てオフショア会社に丸投げで依頼すると、将来の内製化の実現が難しくなったりします。

このような問題を抜本的に解決するため、ベトナムオフショア開発会社のNAL Groupではレベニューシェアモデルのラボ型開発「アクティブラボ」とそれに繋がる「ベトナム現地の開発拠点設立支援」というサービスを創出してきました。「アクティブラボ」は一般的なラボ型開発ではなく、長期で安定的なリソースを確保し、プロダクト開発をスピードアップし、更に海外進出も支援することができるモデルです。

ダイアグラム

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具体的に、「アクティブラボ」は以下のような課題を解決させていただきます。

  • 開発コスト削減
  • 中長期の開発リソース確保
  • 新規プロダクト開発のスピードアップ
  • 開発・運用の内製化
  • 海外進出・グローバル展開・ベトナムで開発子会社設立
  • ベトナムでのIT企業買収などの支援

今まで10年間、日本の会社の4社の開発子会社設立(合計600人のエンジニア規模)に支援してきました。

※「アクティブラボ」のページ:https://www.activelabo.jp/

人, 少年, 男, 座る が含まれている画像

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6. まとめ

ベトナムは政情的にも安定しており、安全とコスト、開発能力のバランスが取れたIT人材大国です。ベトナムの多くの優れた人材をオフショア開発に活用すれば、日本よりコストパフォーマンスに優れたシステム開発が可能になります。

NAL Groupで採用コストを抑えるエンジニア不足を解消する「アクティブラボ」を提供しています。NALグループの中、日本に拠点を構えているNAL JAPANは日本のお客様に寄り添って、日本で上流から下流までの開発を提供しております。システム開発はもちろん、ベトナムの開発情報のご提供など、様々なサービスを用意しております。

オフショア開発のアウトソ−シング先としてNAL Groupのようなベトナムオフショア会社のご検討をお勧めします。