1. はじめに

システムやサービスなどを作るときは、プロジェクトチームを編成して進めていきます。その際にプロジェクト全体を指揮・管理するのがプロジェクトマネージャーです。

IT業界の人材不足が叫ばれている中、PM(プロジェクトマネージャー)についても多くの企業が人材不足に頭を悩ませている状況です。経済産業省の発表によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると報告されています。

ノーコードやローコードの開発ツールによって、設計やプログラミング、テストといった工程については省人化される可能性がありますが、それらを正しくマネジメントして、開発プロジェクトを成功へと導くPMには依然として高い需要があります。

この記事では、プロジェクトマネージャーの仕事内容や役割、必要なスキルを解説します。プロジェクトマネージャーになりたい方やプロジェクトを強化したい方はぜひ参考にしてください。

2. プロジェクト(Project)とは?

 まず、プロジェクトマネジメント知識体系ガイドの本によって「プロジェクトとは独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実地される有期的な業務である」。期間や目標といったゴールが定められ、事前に業務開始から終了までの計画をしっかり立てた上で実地されるものを指します。

PM BOK について https://www.pmi-japan.org/post-17577/

3. プロジェクトマネージャ(Project Manager)とは?

 プロジェクトマネージャーとは、プロジェクト全体の進行を管理し、予算や品質、納期、成果物のクオリティに対して全責任を持つ役職です。プロジェクト全体を見通した上で意思決定を行い、プロジェクトを成功に導くまでが仕事となります。

 プロジェクトマネージャーが担う役割は多岐にわたります。

プロジェクトマネージャは、組織や企業における重要な役職の一つです。彼らはプロジェクトの計画、実行、監視、制御を通じて、目標の達成に向けて指導し、リソースを適切に管理します。プロジェクトマネージャの主な役割と責任は以下の通りです。

3.1 プロジェクトの計画と立ち上げ

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの目標と範囲を定義し、リソースやスケジュールを評価して、計画書やステークホルダーへのコミュニケーションを準備します。プロジェクトの立ち上げ段階では、プロジェクトの成功のために必要なステークホルダーを確認し、チームを組織化して役割と責任を明確にします。

3.2 プロジェクトの実行

プロジェクトマネージャーは、計画されたタスクを実行するためにチームを指導し、リソースを適切に割り当てます。彼らは進捗状況を追跡し、品質と期日を満たすようにします。また、リスク管理と品質管理を含むプロジェクトの実行全体を監視します。

3.3 リスク管理

プロジェクトには常にリスクが伴います。プロジェクトマネージャーはリスクを評価し、予防策と対応策を立案します。リスクの早期発見と対処により、プロジェクトの成果物やスケジュールへの悪影響を最小限に抑えることが目指されます。

3.4 ステークホルダーとのコミュニケーション

プロジェクトマネージャーは、ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に行います。プロジェクトの進捗、課題、変更要求などを共有し、ステークホルダーの期待に応えるためにコミュニケーションスキルが重要です。

3.5 予算管理

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの予算を策定し、コストを管理します。予算内で成果物を提供し、予算オーバーを防ぐために経費を監視します。

3.6 プロジェクトの完了と評価

プロジェクトのタスクが完了した際には、プロジェクトマネージャーは成果物の評価を行います。目標が達成されたかどうかを確認し、改善点を洗い出して次のプロジェクトへの学びとします。

4. プロジェクトマネージャとプロジェクトリーダーの違い

プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの役割が同じだと勘違いされる場合があります。実は、両者は違う役目を持っており、プロジェクトマネージャーがリーダーの上の立ち位置になっています。

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の計画と管理、リスク管理、コミュニケーション、問題解決に重点を置きます。一方、プロジェクトリーダーはチームの指導、動機付け、目標設定、コミュニケーション、チームビルディングに焦点を当てています。

詳しくは以下にご覧でください。

・チームの指導と動機付け:

プロジェクトリーダーは、プロジェクトチームの一員として、メンバーを指導し、彼らを目標達成に向けて動機付ける役割を果たします。彼らはチームの一体感を醸成し、個々のスキルを最大限に生かすよう促します。

・目標設定と方向性の提供:

プロジェクトリーダーはプロジェクトの目標を明確にし、チームに対して方向性を示すことで、チームの目標達成をサポートします。

・コミュニケーション:

プロジェクトリーダーは、プロジェクトチームとの緊密なコミュニケーションを通じて、進捗状況や課題に関する情報を共有し、円滑なプロジェクトの進行を確保します。

・チームビルディング:

プロジェクトリーダーはチームメンバー間の信頼関係を構築し、協力とコラボレーションを促進します。また、個々の強みと弱みを理解し、バランスの取れたチームを構築します。

・判断と決定:

プロジェクトリーダーは複雑な状況に適切に対応し、迅速な判断と決定を下すことで、プロジェクトのスムーズな進行を支援します。

・イノベーションと改善:

プロジェクトリーダーは新しいアイディアや方法を提案し、プロセスの改善を進めることで、プロジェクトの効率性と品質を向上させることを目指します。

5. ITプロジェクトにおけるPMの役割と必要なスキル

プロジェクトマネージャーには、豊富なスキルと資質が求められます。以下に、プロジェクトマネージャーに必要な主なスキルを挙げてみます。

5.1 リーダーシップ

プロジェクトマネージャーはチームを率いるリーダーであるため、リーダーシップスキルが不可欠です。チームを鼓舞し、モチベートし、共通の目標に向けて方向を示すことが重要です。

5.2 コミュニケーション

効果的なコミュニケーションは、ステークホルダーとの協力やチームの連携を確保する上で重要です。プロジェクトの進捗状況や問題点を明確に伝え、ステークホルダーとの信頼関係を築く必要があります。

5.3 問題解決能力

プロジェクトにはさまざまな課題が発生することがあります。プロジェクトマネージャは冷静に対応し、問題解決能力を発揮して適切な対応策を見つける必要があります。

5.4 分析能力

プロジェクトマネージャーは予算やスケジュールなどのデータを分析し、意思決定を行う際にデータに基づいた判断が必要です。

5.5 交渉力

プロジェクトマネージャーは、さまざまなステークホルダーとの間で意見の違いや利害の調整が必要となる場合があります。交渉力を持ちながら、プロジェクトの成功を促進することが重要です。

6.まとめ

 

 IT業界の人材不足が問題視される中、ノーコードやローコードの開発ツールによって工程が省人化されるものの、プロジェクトマネージャーの重要性は高まっています。プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を指揮・管理し、計画と実行、リスク管理、コミュニケーション、予算管理など幅広い役割を担います。我々NAL は優秀なプロジェクトマネージャーが在籍しております。何かお困りのことがございましたら、是非、お気軽にお声がけください。